「樹態告知」 石川康彦 写真展

ソニョーポリから歩いて、だいたい15分くらい。
鮮やかな赤の長い橋を渡ると、雄島(おしま)にたどり着きます。
ぐるりと歩くと、とても魅惑的なこの島は、さまざまな表情を見せてくれます。

村の人、三国の人々にとっての、信仰の象徴としての佇まい。
日本海の波や風や空に浮かぶ、野原と海の風景。
そして、うごめく生命に包まれるような感覚になる、印象的な森の風景。
    とても大切に思っている大好きな場所です。


forbidden-forestこの雄島の森の写真展が、福井市とNew Yorkで、開催されます。
「 樹態告知   石川康彦 写真展
  E&Cギャラリー( 福井市 )  ~10/18(日)
  UNISON gallery( New York )  10/11(日)~11/1(日)

東京生まれ、東京在住の写真家・石川康彦さんは、10年よりももっと前に、この雄島を訪れたそうです。その瞬間から雄島に魅了されて、以来、多忙な時間の合間を、東京からやって来ては、雄島の写真を撮り続けてこられました。
わたしが石川さんに出会ったのは、8年ほど前になるでしょうか。初対面の時は、やわらかな雰囲気漂う穏やかな印象でしたが、次にお会いしたのは、雄島の撮影から帰ってきた直後でした。写真を撮るということは、これほど精魂尽き果てるものかと思うほど、表情も体も、ぐったりした様子で驚いた記憶があります。
何度か写真を見せていただく機会に恵まれ、「いつかこの写真の展覧会が開かれると素敵だろうな」と思っていました。ソニョーポリにも、石川さんの写真を飾っていることがあるので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。木々の写真なのですが、なんというか、動物のようであったり、艶めかしさが漂っていたり。雄島で感じる何かが、そこには写り込んでいるような気がします。
New Yorkのギャラリーの企画展として、個展が決まり、すごいなぁと思っていたら、その少し後に、福井でも個展の開催が決定したとの連絡をいただきました。そのタイトルも「樹態告知」。
作品集を少し拝見させていただきましたが、素晴らしい仕上がりでした。

雄島を知る方も、ご存じない方も、是非ぜひ、足を運んでご覧くださいませ。       (きょ)