雄島まつり

oshima-matsuri1毎年4月20日に営まれる「雄島まつり」。
三国町安島(あんとう)に位置する雄島(おしま)のお祭りです。
この雄島は、姿も美しい神秘の島で、周辺の人から畏怖を込めて「神の島」とも言われています。
6世紀頃から存在していたという島の歴史も古く、信仰の拠点として崇められてきたそうです。
このお祭りも1200年以上の歴史があるのだと伺いました。

雄島に鎮座する大湊神社での大例祭は、男衆の「船神輿」・もんぺ姿の若い娘さん達の「乙女神輿」・ちびっこ達の「子供神輿」が、それぞれ神社を出て安島や東尋坊を練り歩きます。
未婚女性が担ぐ乙女神輿と、若衆が担ぐ船神輿の「海上の逢瀬(おうせ)」でも知られています。

そのお祭りを、昨年は、ランチの営業を終えてから、スタッフみんなで見物。
いつもは静かな雄島周辺に、祭り囃子と太鼓が響き、
船神輿を担ぐ男衆、祭りを見守る村の人たち、祭り見物の人々・・・・
その興奮と熱気に、すっかり酔ってしまい、「来年は、是非とも一緒に神輿に参加したい」と、シェフ。

そして今年。
村の方からのお誘いをいただいたこともあり、遅ればせながら、参加を決めました。
ソニョーポリ厨房の男衆3人と、おいしく美しい野菜づくりに取り組んでいる「横田農園」の横田くん、フレンチレストランで修業中の若き男子・宗一郎くんも加わり、ソニョーポリから5人が参加しました。

ランチの営業と片付け・掃除を済ますと、あっという間にはっぴ姿のお祭り男に変身して、
早速お神輿の現在地まで急行しました。
朝から参加の横田くんや宗一郎くんは、すでに酒と熱気に酔っていました。
もちろん、はっぴ姿の村の男性もみんな同じで、赤い顔をしています。
なじみの村の方々にご挨拶して、初めてのわらじの履き方を直して頂き、ついにお祭りデビュー。

 oshima-matsuri2 oshima-matsuri4
船神輿は、安島の家を一軒一軒まわっては祭りを祝うようでした。
夕方になる頃、男衆は、雄島の赤い橋を渡り、大湊神社本殿の急な石階段を神輿とともに上がって参拝し、5時ごろには、船神輿を担いだまま、冷たい春の海へと入ってゆきました。
わたしたち女方は着替えとタオルを持って、海に入る男衆を見守るだけです。
海から上がってきた、ずぶ濡れのみんなの顔は、寒そうだけど、なんとなく誇らしげ。

oshima-matsuri5その後も、神社に神輿を奉納する夜8時過ぎまで、「やれ、やんな」という掛け声とともに、延々と祭りは続きました。

海の神様に、祭りの一日を楽しんでもらって、航海安全と豊漁を祈願するという、この伝統行事。
楽しそうに誇らしげに神輿を担ぐ人々を見ていると、老いも若きもみんなみんなが、祭りに熱い思いを持っているのだなぁと、伝わってきます。

この日はみんな、さんざんお酒を飲んでいましたが、打ち上げ後、一足先に店に戻り、ひとり翌日の仕込みをするスタッフの谷本。ありがとうありがとう。
何はともあれ、みんな、お疲れ様。いい顔してましたよ。  (きょ)

oshima-matsuri-minna